健康な体を保つためには、健康な歯を維持することがとても重要です。正しい知識と、日々のケアによって、歯の健康に注意しましょう。
また、特に治療が必要な場合でなくとも、定期的にプロのチェックを受け、メンテナンスすることも大切です。
そのために、私たち歯科医がいるのですから、少しでも疑問に感じることなどがあれば、いつでもご相談ください。
定期的なメンテナンスの重要性
虫歯やかぶせ物、入れ歯などの治療は短期間で再治療になることは少ないものです。
しかし、歯ぐきの治療は、「この前クリーニングしたのにまた汚れが付いてきたの?」とお思いになることが多いと思います。これは、歯ぐきには日々の歯ブラシをそこねることにより腫れたり、出血したり汚れが蓄積してしまうからなのです。
そこで、当医院では効率の良いブラッシング方法の指導や定期的に来院していただき、お口の中の変化をチェックしていくことがとても重要と考えています。
ぜひ、定期的なメンテナンスを行なってより良いお口の中の状態を保っていきましょう。
補綴(ほてつ)歯科治療の必要性
補綴(ほてつ)とは、歯にかぶせ物をすることや、失ってしまった歯をおぎなう歯科治療のことです。
歯が抜けたまま放っておくと残った歯は、歯がない方向へ移動してしまいます。
つまり、もともと隣にあった歯は、歯がなくなった側へ傾き、咬み合っていた歯は相手がなくなると伸びてきます。
その結果、咬み合わせがおかしくなって噛みづらくなったり、歯並びが悪くなり、ムシ歯や歯周病の原因になります。
さらに歯がなくなってくると…、
噛むところがなくなって、食事がうまく取れなくなり、健康維持のための栄養が足りなくなってしまいます。また、噛むところが減ってくると、あごの関節に異常が生まれる原因にもなります。
うまく咬む(咀嚼する)と、肥満を抑えるとともに脳血流がふえて、ボケ防止にもつながります。また、良い姿勢や体の安定を保つためには、正しい咬み合せが必要です。このように健康への影響は大きいのです。
神経のない歯は…
虫歯によって歯の神経を抜かなければならなかった歯は、かぶせ物をする必要があります。なぜなら、歯の神経は、歯に必要な水分や栄養を供給するという重要な役割をしています。その神経がなくなってしまうと、歯は、もろくなり、欠けやすくなったり割れてしまう可能性が出てきます。
歯が割れてしまった場合、最悪の場合、歯の根っこを抜かなければなりません。
歯の神経がなくなった歯を、割れてしまわないようにするには、かぶせ物をしてくいとめることが必要です。
昔入れたさし歯(冠・クラウン)が最近黒ずんできた
表面のプラスチック(樹脂、レジン)が変色していることがあります。歯の根っこに問題がない場合は上の部分だけ作り直すとことができます。
自然の歯のように美しくするための材料には、硬いプラスチックや瀬戸物(セラミック)、ハイブリッドセラミックといわれる新しいものなど色々な素材があります。
※ 保険の範囲でできるものと、できないものがあるのでご相談ください。
部分入れ歯の必要性
異物感があって気持ち悪いし、別に入れなくても困らないからといって、歯がない部分に部分入れ歯をきちんと入れておかないと、隣の歯が傾いてきたり、かみ合っていた歯が伸び出てきます。また、残っている歯への負担が大きくなったり、咬み合せが変わってしまいます。
今は不便に感じなくても、知らない間に全身の健康にも影響が出てくるという研究結果もたくさん出てきています。
歯科医院で調整してもらいながら、入れ歯に慣れることが第一です。
また、入れ歯の調子は良いけれど、頻繁に割れてしまうという方は、金属床義歯という入れ歯もありますのでご相談ください。
※ 寝る時ははずして義歯洗浄剤の中に保管しましょう。
義歯安定剤について
入れ歯の調子が悪く、入れ歯安定剤を使っている方は、入れ歯が合わなくなって来ることがあります。義歯安定剤を長く使うと、咬み合わせがズレたり入れ歯が汚れてカビが生えることがあり、総合的にあまり良いとはいえません。
入れ歯が合わなくなったら、早いうちに治療をすることが最善の方法です。
金属床義歯とは?
総入れ歯に金属を使った『金属床義歯』という、薄くて丈夫、そして、食べ物の熱が伝わりやすいため食事がおいしく感じられるというのが特徴です。
ただし、保険ではカバーされないため、費用は自己負担になってしまいます。
保険の義歯の場合は、プラスチック製で軽く、万が一、壊れたとき修理しやすいけれども、金属の義歯に比べて食べ物の冷たさ・温かさが伝わりにくいうえ、入れ歯の厚みが厚くなってしまいます。
インプラントとは?
インプラントは、歯の抜けた部分の骨に、チタンでできた人工的な歯根を植え込んで、それを土台にして歯と同じように『かぶせ物・クラウン』や『義歯』を作る治療です。
見た目にも、食べるのにも、まるで自分の歯のようになります。
しかし、骨の状態やかみ合わせの状態、健康状態によっては、インプラントできない場合もあります。
歯がない部分の両隣の歯をつなぐブリッジや、部分入れ歯の方が良い場合もありますので、歯医者さんに歯の状態をしっかりと見てもらい、良く相談しましょう。
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